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2005年9月8日 051号 人間英語辞書

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突然ですが、皆さんはいつも電車に乗っている間、何をしていますか?

 

・本を読んでいる

・寝ている

・音楽を聴いている

・妄想している

・悟りを開いている…など人によって様々でしょう。

 

先日モモスケは電車内である懐かしい光景に出逢いました。

鬼気迫る表情を浮かべ、親の敵とでも言わんばかりの勢いで単語帳をめくっている高校生を見たのです。おそらく試験直前だったのでしょう。

 

ああ、単語帳かあ、懐かしいなあ…

 

最近お疲れ気味で、電車では寝てばかりのモモスケは、ウトウトしながらも、そうしんみり思いました。何を隠そう「学校英語」だけは得意だったモモスケ。学生時代には単語帳にはずいぶんとお世話になりました。

 

いま思えばモモスケの「学校英語」の勉強はかなり極端なものでした。ただひたすら試験範囲の単語、例文、文章を丸暗記する。ただこれだけです。テクニックも何もあったもんじゃありません。でもそれだけで良い点数は十分取れたのです。

 

では、実際の英会話と「単語力」の関係はどうなのでしょうか?今回はこれについてお話ししたいと思います。

 

もう大分前のことですが、友人に紹介されて英語の家庭教師を依頼されたことがあります。生徒さんは50代後半の女性社長で、非常にエネルギッシュな方でした。学生時代以来、英語にまったく関わってこなかったので、ゼロから教えて欲しいとのことです。

 

『なるほど、ゼロからか…。 どのように授業をすればいいかなあ…。』

 

試行錯誤しながら授業の準備をしているモモスケの前に、その女性社長は両手にあまるほどの分厚い辞書を抱えて入ってくるやいなや、それをドン!と机に置いてこう言いました。

 

『とりあえず辞書に載っている単語を片っ端から覚えれば、英語なんてどうにかなるでしょう?』

(注:もちろん本当の話です。)

 

これにはモモスケもあんぐり。彼女の言い分は「英語も語学である以上、どんな文章や台詞も単語の集積である。だからその基本単位である単語の大部分の意味を知っていれば理解できないはずがない」というものでした。そして普通に英語を教えることはしないでいいから、使う頻度の高いものから、どんどん単語帳にしていって欲しいと頼まれたのです。

 

当然モモスケは辞退しましたが(ひたすら単語帳を作るだけなら、家庭教師ではなくてただの内職です…)その時に単語力と英会話能力の関係について考えこみました。

 

もし彼女の言うとおり辞書を丸々一冊暗記できたとしたら、英語でのコミュニケーションには不自由しなくなるのか?

 

モモスケの出した結論はNOでした。

なるほど確かにどんな長文も、演説も、すべては単語から成っています。けれど決してそれは、個々で完結した意味を持つ単語の無機質な羅列ではありません。ひとつの単語にも複数の意味があります。結局それぞれのシチュエーションにおける単語の本当の意味は、他の単語との関係性の中でしか決定されないものなのです。

 

けれど実際、彼女のようにひたすら多くの単語を暗記することに情熱を傾ける人というのは少なくないはずです。中には「歩く難解単語辞書」みたいな方もいて、そんなん、いつどこで使うんだ!みたいなマイナーな単語で頭を一杯にしてる人もいます。そういう方は英語でのコミュニケーション能力が高いかというと、必ずしもそうではありません。

 

何故でしょうか?


辞書だけから覚えた単語はしょせん「借り物の言葉」に過ぎないからです。そして借り物の言葉は、すぐに相手にバレてしまうのです。日本語でも「ああ、この人、本で昨日読んだことをそのまま話してるな…」というのはわかりますよね?それと同じです。知っているのと使えることは天と地の差です。小難しい単語の意味を言えても、使えなくては何の意味もないのです。

 

第二ヶ国語における最も優れたコミュニケーションの方法は、自分のちゃんと理解している単語を使って、シンプルに、伝えたいという気持ちを失わずに行うということなのです。もちろん最低限の単語力は必要ですよ。けれど難しい単語帳と睨みあうより、テレビやラジオ、音楽など何でもいいから「生きた英語」と一秒でも多く接することの方が、ずっとずっと効果的なのは言うまでもありません。だって私たちが目指すべきなのは「人間辞書」ではないのですから。

 

ほんじゃまた (^◇^)ノ

 


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