ヒント104 英語のアウトプットとインプット

教授高本裕迅
白百合女子大学
文学部英語英文学科

英語を浴びられる機械

 

私は自分が聴きたい英語音声を、iPodに入れて持ち歩いています。私のは、CDが数百枚、それ以外に映像付きの教材も多数入っています。若かりし頃、英語の先生から、「とにかく浴びるほど英語を聴きなさい」と言われました。当時の機械は浴びるには容量が小さかったと思いますが、iPodは文字通り「英語が浴びられる機械」です。浴びるどころか、溺れるくらい聴けます。

 

集中してリピートして聴かないと、簡単には頭に残りません。ですから、覚えたいダイアログや英語ニュースなどは、何度もリピートして聴きます。ただ人間の記憶の不思議なところは、録音した100枚を何度も通して聴いていると(毎日5時間とか聞いても、20日間くらいかかるでしょうか)、ネイティブと話していて、ふっと自然に表現が出てくることがあります。その時には、「あれ、今口から出た表現、どこで覚えたんだっけ?」と思うのですが、しばらくして、「あのCDの1文だった!」と思いだすのも楽しみの一つです。

 

独り言アウトプット

 

では覚えた英語をどこで使うのか?普通はネイティブと話す機会なんて、ほとんどありません。アウトプットもたくさんすればするほどスピーキングに良いようですが、もちろんその前提には、たくさんのインプットが必要です。インプットも多量にしつつ、同時にたくさんアウトプットもしないとスピーキングは思ったほど上達しないのですが、ではアウトプットする「場」はどこにあるのでしょうか?

 

私がもっとも好きなアウトプット練習法は「独り言」です。
これは、いつでもどこでもできますし、覚えたばかりの表現をなるだけ使って、電車に乗っている数十分間ずっと話つづけると、一瞬、このまま続けたら日本語を忘れてしまうのではないかという錯覚まで与えてくれます。

話す内容は、なんでも良いと思います。私の友人は、車内や車外に見えるものを片っ端から英語で話すと言っていました。これはこれで、「英語での説明力をつける」という、中級以上のスピーキング力をつけるには良いでしょう。内容がどうしても「あのグレーの高層ビルのとなりに白い煙突が見える」とかばかりになりがちですので、私はあまり「やりがい」を見出せませんでした。

 

そこで私は、あるダイアログなりニュースなりを思い出しながら要約したり、あるいは、それに関連した自分の意見を言ったりということをしています。いずれにしても、私の場合は、何でも闇雲に話すのではなく、なるだけ聴きたてのニュースやダイアログ関連で「独り言」を言うようにしています。


その効果は?上達しているに決まっていると思い込んでやっております!

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高本裕迅(こうもと ゆうじん)
白百合女子大学文学部英語英文学科教授
専門/音声学、音韻論、言語習得論。1999年度ハワイ大学客員研究員。日本英語音声学会理事。NHKラジオ「基礎英語2」、「英会話入門」、「英会話中級」、「英会話上級」、NHKテレビ「英会話トーク&トーク」など講師。著書に中学校英語教科書『New Horizon』(共著・東京書籍)、『コースケの大脱走』(共著・NHK出版)、『NHKテレビ英会話トーク&トーク ここ一番、英語で話そう!』(共著・NHK出版)他多数。
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