英会話上達のコツ

2011/10/04
英語のリスニングのコツ(5)

リスニングが苦手な皆様に、リスニングのコツをご紹介!今回はその第5回目です!

 

● 聞き取りにくい発音(3):切れ目なく聞こえる音の連続

 

言語音声は「幻覚」だと言われることがあります。書かれた文字には、語と語の境に空白がありますが、話し言葉の音声は、継ぎ目なくつながっています。しかし、語と語の境界線と思える音のところで、我々は一定の区切りをつけることができるのです。語と語の間に短い沈黙があるわけではないのに、まるでそこが区切れているかのように錯覚をする。まさに「幻覚」なのです。

 

 

新幹線で、

 

We will soon make a brief stop at Shin Yokohama.

 

と英語でアナウンスされますが、「シン横浜」ではなく「チン横浜」と聞こえます。これは、 at の [t] と Shin の [S] が連なって、チッとなってしまった結果です。チャンスがあれば実際にお確かめ下さい。例を見てみましょう。

 

(例-1) …not sightseeing

 

not の [t] と sight- の [s] が連なり、「ツ」と聞こえます。それだけではなく、sightseeing の語中の下線部分でも同様の現象が起こり、全体としてこの語は「ァイツィーイング」のように発音されます。

 

 

 

 

(例-2) your advice about…


上記の下線部分が切れ目なく連なり、「ラドバイサバウト」のように聞こえます。

 

(例-3) picking it / putting it

 

picking it は「ピキニット」、putting itは「プリンギット」のように聞こえて来ます。なお、picking では、語末の ng 音が [n] に変化しているため「ピキニット」となります。

 

 

この種の変化は、語末の -ing 形で生じ、某ファーストフードのコマーシャルで、

 

I'm loving it.

 

の下線部分を「ラビニット」発音しているのが一例です。「語をまたぐ環境」のみならず、「語の内部」でもこうした現象が生じる点に注意して下さい。

 

一方、cat is「キャリズ」、putting it「プリンギット」、get out of「ゲッラウラヴ」、turn it off「ターニロフ」など、「子音+母音が語を越えて切れ目なく密接に連結する」場合にも要注意です。

 

誰一人いない深い森で、1本の木が倒れた時、音はするのかしないのか。いささか哲学の命題じみていますが、語と語の境界は、それを聞く、あるいは、聞こうとする人がいなければ区切りはないのです。

 

いかがでしたか?よく頂く質問で「単語がつながって聞こえるのですが、本当にそれぞれを発音しているのでしょうか?」というのがあります。もちろん「つなげて発音しています。」とお答えするのですが、どうつながるのか?の理解は、慣れないと難しいようです。今回の記事は、まさに音の連続のキモ!ぜひバッチリ読み返して、英語リスニングにお役立て下さい。

 

次回につづく。

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