なぜ英語が話せないのでしょうか?努力が足りないのでしょうか?

いいえ。そうではありません。今ではホコリをかぶっている教材も、当初はやる気満々で買い込んだはずです。同僚の誘いを断り、仕事の後に駅前のスクールに通った方も多いかもしれません。あなたは今まで努力してきたはずです。それでもあなたはいまだに英語が話せないままです。なぜでしょうか?

ダメなのはあなた?それとも英語学習法?

ここ数年、国際化がさらに加速し、企業でも英語力がますます重要視されてきました。多くのビジネスマンが、「今度こそ」という思いで英会話学習にトライするものの、思うように上達しないという声も多く聞きます。「中学・高校と6年も勉強をしているのに、なぜ英語が話せないのか?」「どの教材を使い、どう学習すれば上達するのか?」ネット上にはこうした疑問があふれています。どうしてでしょう? 努力が足りないのでしょうか?

いいえ。そうではありません。
それは、あなたの英会話学習法が間違っているためです。
間違った学習法だから、いつまでたっても上達を実感できず、逆に徒労感と苦手意識が育つばかり。実は皆、正しい学習法を知っているようで知らないのです。
多くの人が間違った学習法を、そうと知らずに続けているのです。

ご存知のように英語を含め言語には、「音」を使う【聴く】【話す】と、「文字」を使う【読む】【書く】の4つの能力があります。実は英会話を正しく、効率よく身につけるには、この【聴く】【話す】【読む】【書く】を、順序立てて学ぶ必要があるのです。

言葉は耳→口→目→手で身につく

子どもが言葉を覚えていく順番を思い出してみてください。言葉は、耳、口、目、手の順に身についていきます。耳は「聴く」、口は「くり返し言う」、目は「読む」、そして手は「書く」。最初は親の言葉をひたすら聴くことから始まり、徐々に文字として覚えていくのです。

ところが、従来の日本の英語教育は最初の2つ「聴く」「くり返し言う」がなく、「読んで書く」が中心。英文を日本語に直す「訳読」ばかりが重視されてきました。 訳読は、受験に必要な「作業」であって、英語を「聴き」「話す」こととは直接関係ありません。「英語の勉強をしてきたのに話せない」のではなく、「話す練習をしてこなかったから英語が話せない」だけなのです。

社会に出た後で英語を勉強し直すことを、「やり直しの英語」といいます。
「やり直しの英語」は、単語や文法をすでにある程度知っているので、比較的早く英会話が身につきやすいと言われています。

しかし実際は、思うように上達しないという人がほとんど。というのも、英語をやり直す人の多くは、テキストに線を引いて訳読して暗記して…と、学校でやった学習法をくり返してしまうだけ。これではいくらやり直しても、英会話ができるようにはなりません。今までやってだめだったのですから、できるようになるはずがないのです。その結果また挫折してしまう人がとても多いのです。

必要なのはこうした間違った学習法を変えていくこと。英会話がしっかり身につく学習法に切り替えていくことです。

聴き取れない音は話せない

では、英会話が身につく学習法とは何でしょう。
それは「聴く」ことです。

英語を聴き取れなければ、絶対に英語を話すことはできません。
これはフランス語でも韓国語でも、そしてあなたが得意な日本語でも同じです。相手の言葉を聴き取れなければ、同じ言葉をオウム返しに言い返すことさえできないのです。

とはいえ、ただ漫然と聴いていれば話せるようになるかというと、やはりそれも間違い。アフリカ少数民族の言葉を録音したテープを聴き続けていれば、その言葉を話せるようになるでしょうか?おそらく10年たっても無理でしょう。
ひと口に「聴く」と言っても、「聞く」ではなく、言葉として身につけるための「聴き方」があるのです。

もう一度言います。
人間は聴き取れない音を、同じように発声することはできません。
そして、ただ耳から流し入れているだけでも、それを言葉として定着させることはできないのです。

「話す」ことを考える前に、まず「効果的に聴く」ことを覚えることが必要です。