英語を話す100のヒント

2012/11/20
世界の英語人口は何人?
  • 言語学博士
  • 関東学院大学
御園和夫名誉教授

英語人口の3つの輪

イギリスの言語学者のDavid Crystal氏は、英語を3つの輪(The Three Circles of Englishes)に分けています。

 

1.  Inner Circle(内側の輪):

イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、など。いわゆる、英語母語話者の英語。

 

2.  Outer Circle(外側の輪):

インド、シンガポール、など。かつて英国の植民地となった地域の英語。公用語ないしは第2言語としての英語。

 

3.  Expanding Circle(一番外側の輪):

日本、中国、韓国、ロシア、など。外国語としての英語。

 

 

この資料は10年以上前のものなので、おそらく現在、全世界では20億を超える人が英語を話していると推測されます。「Inner Circle」の人口はせいぜい3億5000万前後。イギリスの人口が6000万、アメリカ2億5000万(英語を話さない人も多いので)、カナダ3000万(フランス語圏もあり)、オーストラリア2000万、などを合わせても3億5000~6000万です。

 

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世界で20億を超える人が英語を用いているとなると、いわゆる英語のネイティブ・スピーカーと言われる人の数は少数派になります。つまり、英語母語話者の数よりも、そうでない英語話者のほうが圧倒的に多いのです。

 

 

世界の英語人口は30億人以上?

別の資料によると、世界で英語を第1言語、あるいは第2言語として使用している人は、世界人口の約49%に及ぶといいます。現在の世界の人口はおおよそ67~68億位でしょうから、世界でなんと30億以上の人々が英語を使用していることになります。

 

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もっとも、英語を使用するといっても、問題はどの程度英語ができるかも重要。「OK」だけで会話を進める人が、果たして英語話者と言えるかどうか、という問題はあります。ただ、それを踏まえたとしても、英米をはじめとする英語母語話者以外に、世界で英語を使う人の数が圧倒的に増えていることは確か。まさに英語は世界語として、非英語話者の間での伝達手段になっています。

 

今に私たち日本人も、英米人と英語で話すよりは、非英語圏の人々と英語でやり取りをするほうが多くなる可能性は十分に考えられます。そのときあわてないように、ぜひ、今のうちから英会話のトレーニングを始めましょう。

御園 和夫
博士(言語学)
英語音声学、英語学専攻。英国レディング大学にて英語教授法研修、UCLA校客員研究員、クイーンズランド大学大学院博士後期課程修了。関東学院大学名誉教授。日本英語音声学会常任理事、英語面白楽会会長。テレビ・ラジオで活躍し「百万人の英語」や「旺文社大学受験ラジオ講座」など数々の英語番組を担当。著書:『コミュニケーション主体の英語音声学』(和広出版)、『必携 英語発音指導マニュアル』編集主幹(北星堂書店)他多数。
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