英会話上達のコツ

2005/12/08
英会話はYES/NOだけでもできる!

 

モモスケの友人に、独学で英語を勉強している人がいます。

 

彼は昔からすごくマジメで、勉強でも何でも一人でコツコツやるタイプ。勉強に関しては「背水の陣専門」で、試験直前まで鬼のような形相で単語帳と格闘していたモモスケとは正反対のタイプでした。

 

英語習得に対しても、彼の態度はまったく同じ。某有名テレビ英語講座を毎回欠かさず見て、通勤の時間も録音して徹底復習。ストイックとさえ呼びたくなる勤勉さで、一生懸命勉強していました。

 

 

そんな彼の実際の英語能力には、ずっと触れる機会がずっとなかったのですが(だってお互い日本人ですし…)この間初めてモモスケのアメリカ人の知人を交えて食事する機会にめぐまれました。こういう時は微妙な緊張感が漂います。お互いの英語力が気になるから…。ライバル心というほどでもないですが、「彼どれくらい喋れるんだろうか?俺よりずっと上手かったらどうする?」と探り合う空気がヒシヒシ伝わってくるのです。そんな張り詰めた空気の中、アメリカ人の知人が遅れてレストランに姿を現すと彼は意を決したように立ち上がり、挨拶を始めました。

 

 

 

 

Hi, my name is...

 

その一言を聞いてモモスケ大ショック!発音が「完璧」なのです。
もし彼の英語だけを聴いていたら、絶対にネイティブだと思うくらい、ナチュラルで綺麗な英語なのです。

 

「さすがは私のライバルだ…」などとクールに呟く余裕もないほど、うまかったのです。これにはネイティブの知人もびっくり!「英語上手いねー」とネイティブスピードで彼と話し始めました。すっかり意気消沈し、戦意喪失のモモスケ。やや自暴自棄になって独りビールを煽りながら二人の会話に何となく耳を傾けていたのですが…。

 

ん?何かおかしいぞ?と思い始めたのです。

 

どうやら、さきほどあれほどまでに完璧な英語を披露した友人が、アメリカ人の知人の言っていることが理解できていないようなのです。それに気づいたアメリカ人の知人、話すスピードをどんどんゆっくりにしてあげているのですが、それでも友人は相手の言う事が聴きとれていない様子…。恥ずかしそうに Pardon me? や excuse me? を繰り返しています。あんなに完璧な発音ができるんだから、モモスケが聴きとれる英語を彼が聴きとれないわけがない…。最初はそう思っていたのですが、さすがに友人が辛そうだったので、モモスケも間に入り質問を訳してあげました。

 

すると

 

よくあんな早い英語、聴きとれるね…彼はそうモモスケに呟いたのでした。

 

不思議に思ったモモスケ、食事後に彼の勉強方法について訊ねてみました。すると彼は【聴く】練習をほとんどせず、【話す】ことばかりずっと勉強していたのだと言います。初級講座でよく出てくる自己紹介や挨拶の言い回し、それらを「完璧」に真似れるよう、ひたすらがんばっていたのです。結果、彼の英語の発音は「完璧」になったのですが、【聴く】練習をおろそかにしていた分、リスニングがまったく伸びていなかったのです。もちろん

 

「聴きとれない音は真似できない」

 

ですから、彼も自分が話せる程度の短い会話ならわかるのです。けれど、それが脈々と続く実際の会話になると、まったくついていけない。実際、海外旅行に行っても、お店や税関で自分から簡単な英語で話しかけるとネイティブと勘違いされ凄まじいスピードで返答されるので辛い、ともこぼしていました。

 

そんな事ってあるんだなあ…

 

モモスケそう感じたのを覚えています。英語を【話す】ことは、英語を【聴く】ことよりも、必然的に目立ちますし、『英語ができる!』という達成感も強いかもしれません。けれど実はこの友人のように「早く『話せる』ようになりたい!」という思いが強すぎると、【聴く】能力を育てるのをおろそかにしがちです。

 

究極的に言えば、まったく自分が【話す】ことができなくても、100%相手の言っていることが理解できていればYES NO だけでコミュニケーションはとれるわけです。

 

 

けれどこれが逆だったら?コミュニケーションは成り立ちません。語学というのは、どうしてもインプット機能である【聴く】ことよりも、アウトプット機能である【話す】ことに偏りがちです。

 

「あの人、英語話せるんだよー」 とはよく言いますが

「あの人、英語聴きとれるんだよー」 とは言いませんよね。

 

でも話せるようになるには【聴ける】ことが、まず必要不可欠です。けれども逆に【聴ける】ようになるのに、まず【話せる】必要はありません。だから

 

インプット → アウトプット

 

つまり【聴ける】→【話せる】

 

この順番は絶対なのです。勘違いしないで欲しいのですが、モモスケは【聴く】ことの方が【話す】ことよりずっと大切!と言っているのではありません。このふたつは表裏一体で、切り離すことなどできません。ただ、【話す】ことばかりに眼がいきがちだけど、話せる裏には【聴ける】という土台があるからなんだよー!と、皆さんともう一回確認しておきたかったのです。

 

【話し】上手は【聴き】上手っていうでしょ?

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