英会話上達のコツ

2007/11/27
英語学習と教科書

最近、中学や高校の先生からお手紙を頂く機会が多いのですが、先週末、また1通のメールが到来…。

 

どんなに熱心に英語を教えても、絶対に話せるようになれないのは分かり切っている。たくさん英語を聞くことが、話すことにつながるとわかっていても、それでも、毎日毎日、教科書を読むことを中心に教え続けている。入試に役立つ知識を教えることが、喜ばれる授業と評価される。

 

そんな内容の悲しいメールでした。

 

 

「話せる」ようになるには、まずは「聴き取る」ことが出来なければダメ。相手の話しを聴き取り、何を言ったのか理解することが先決で、聴き取れるようになってはじめて、自分の気持ちが返せるようになるもの。傾いちゃった駅前のスクールに通ったところで、講師の話が理解できなければ、会話にさえならないのは明白です。このメルマガを通し、何度もお伝えしていることです。

 

 

 

 

一部の先をゆく私立高校やSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)では、「聴いて→話す」練習を取り入れていると聞きますが、まだまだ一般の中学・高校では、そこまで進んでいないのかもしれません。モモスケの先輩で高校英語に詳しい大学教授から、最新版の高校の教科書を3種類ほど見せていただきました。

 

中には

 

英語→日本語→メッセージを理解 ではなく 英語→メッセージを理解

 

と解説があり、日本語を介さない=直読直解 が必要。そのために文章の意味の切れ目に「/ =スラッシュ」が入れてあります。

 

という教科書がありましたが、それでもモモスケが高校生だった遙か太古の昔から比べ、ほとんど変化は見られません。最近ではOC(オーラルコミュニケーション)という名前の授業があり、ネイティヴと直接会話をする授業も取り入れられたようですが、授業回数も少なく、「話すための授業」ではなく「センター試験のリスニング対策」の授業のようだという意見もあるようです。(おそらく)現役の高校の先生からこのようなメールを頂く状況からすると、「聴いて話す」授業は、まだまだ先なのかもしれません。指導要領には、すぐにでも話せるようになれるような表現が並んでいるのですが…

 

さて前号で

 

Japan に住む日本人だから  Japanese

Bali   に住むバリの人だから Balinese 

 

なんてお話をしましたが、そしたら刈谷市の鈴木さんからお便りを頂きました。承諾を頂き、ちょっとご紹介しますね。

 

 

モモスケ様

 

「ジャパニーズのニーズ?」を拝見して、岡倉天心(1862-1913)の1904(明治37年)ニューヨークにおけるエピソードを思い起こしました。

 

(引用)

2月10日、日露開戦の当日であった。伊予丸にて渡米。同行者は日本画の横山大観、菱田春草、蒔絵の六角紫水ら3名。3人の門下生とともに羽織袴、黒足袋、雪駄履きでニューヨークの町を歩き回った。ある時、いきずりの青年2-3人が彼らに近づき、

 

Which nese are you,Japanese or Chinese? 「あんたらどっちのニーズか、ジャパニーズかチャイニーズか」

 

と無遠慮に問いかけた。天心は穏やかにしかも即座に切り返した。

 

Which kee are you,Yankee,Monkey or Donkey? 

 

「ヤンキーですか、モンキーですかそれともドンキー(お馬鹿さん)ですか、あなた方はどのキーですか」

 

そして、知らんぷりして散歩をつづけた。 http://www.sekiya.net/cha-no-hon/tensin/episode_set.html

(引用)

 

また Japanese に似た語に Javanese (ジャワ人)があります。

 

おお!なるほど面白いですね!!モモスケ、こういう知的好奇心がビンビン刺激される話題、大好きです!1900年頃のニューヨークで「ニーズ」といえばジャパニーズかチャイニーズというのが一般的だったんですかね~。

 

質問の仕方も「無遠慮」過ぎますが、それに対する岡倉天心の切り返しもかなりキビシイものです。もしかしたらその背景には、○○ニーズ[~ese]に差別的表現があるのではないか?差別的に言われたので、岡倉天心もさらにキビシイ返しをしたのではないか?との仮説を立て、様々調べたのですが、はっきりとした答えは見つかりませんでした。

 

お手紙を頂いた鈴木さんからも > journaleseなど造語の場合は、軽蔑・冗談の意味を含むとあります。との情報を頂きました。ジャーナル[新聞・雑誌]にeseをつけた言葉です。文学者が新聞雑誌のような文体を、軽蔑的な意味を込めて、ジャーナリズム調の文体というときに使う言葉だそうです。この疑問、もうちょっと調べてみたいと思います。

 

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