ヒント083 TOEIC実践講座【7】Part7読解問題対策-2

教授串田美保子
関東学院大学
法学部

TOEIC Part7は答え探しのスピードが決め手!

 

今月はリーディングセクションのPart7「読解問題」で、関連のある2つの長文を同時に読んで5問程度の設問に答えるパターン(ダブルパッセージ問題)の問題にチャレンジしてみましょう。前々会で挑戦したPart 7のシングルパッセージ問題(1つの長文を読んで設問に答えるタイプ)と同様に、ダブルパッセージでもビジネスでの場面や日常生活で頻出する文書(社内メモ、議事録、グラフや表など)から正確に情報収集できる能力が試されます。それでは早速、例題を解いてみましょう!

※問題はオリジナルのもので過去の問題ではありません。

 

ダブルパッセージ問題でよく出るタイプの代表格「社内メモ」を素材にした設問にチャレンジしてみましょう。


<例題> 

Questions 1-5 refer to the following two memos.

 

To: All staff                         Date:August 5
From: Peter Muller                     Re:Parking near the company

 

Concerning parking near the company.

Last week I received a complaint from the head of the Local Residents Association, Mrs. James, concerning the large number of parked cars in the streets around the company.I would like to remind all staff that unless they have a reserved parking space on the company premises, they are not on any account to come to work by car.When we first moved to this location, there were many protests from local residents, and at that time the company undertook not to create crowding by parking in the area.

I realize that for many of you this company rule is highly inconvenient.Unfortunately, as the number of parking spaces available in the company car park is limited, we have no choice but to insist that you obey the company rule.Anybody found disobeying the rule and coming to work by car will be treated severely.

 

Peter Muller
Chief Executive Office


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


To: Peter Muller (private)                         Date:August 6
From: Janet Richards                             Re:Parking

 

Dear Mr. Muller,

My name is Janet Richards and I have been working in the Accounts Department for the last five years.We met briefly last year at the Christmas Party.I am writing to you concerning the company rule about not coming to work by car.

I am afraid that I am one of the employees who have been breaking this rule.The reason is that in the mornings I have to drop my two young sons off at school before coming to work.Unfortunately their school has no school bus and there is no easy way for the boys to get to school by public transport.Moreover, my husband and I both feel that they are too young to travel to school on their own.If I take my boys to school and then return home and come to the company by train, it is not only expensive but also impossible for me to get to work on time.

I have a suggestion that I think might solve the problem.At the moment there are ten parking spaces reserved for visitors in the company car park.In my experience, however, it is very rare for the company to receive more than one or two visitors at any time.As a result, most of these parking spaces are usually empty.I suggest that you cut the number of parking spaces for visitors and then give the extra spaces to employees like myself who have a good reason why it is necessary for them to come to work by car.

I hope that you will give my suggestion some thought.

Sincerely yours,
Janet Richards

  

 

1.What is purpose of Peter Muller’s memo?

(A)To encourage staff to meet local residents
(B)To introduce Mrs. James to the company
(C)To announce that the company will move
(D)To remind staff not to come to work by car

 

2.Why did Mrs. James complain to Peter Muller?

(A)There are too many residents in the area.
(B)Staff are parking their cars in local streets.
(C)The company is making too much noise.
(D)Some people are driving dangerously.

 

3.Who is Janet Richards?

(A)A teacher at a nearby school for boys
(B)Someone who lives in a street near the company
(C)Someone who works in the Accounts Department
(D)A member of the Local Residents Association

 

4.What is one reason that Janet Richards drives her sons to school

(A)Their school is too far from the company.
(B)It is too expensive for them to go by bus.
(C)They are too young to travel on their own.
(D)She does not have time to take the train.

 

5.What does Janet Richards suggest that the company do?

(A)Give some of the visitor parking spaces to employees
(B)Arrange for employees to be allowed to park in local streets
(C)Provide transport to take employees’ children to school
(D)Build an extra car park for employees like herself

 

<ヒント>

Complaint「不平、苦情」、Local Residents Association「地元自治会」、concerning~「~に関して」、unless~「~でない限り」、premises「敷地」、not on any account「決して~ない」、undertake「約束する」、crowding = crowd「混雑した状況」、inconvenient「不便な」、we have no choice but to ~「~するしかありません」、disobey「違反する」、severely「厳しく」、accounts department「会計部」、in the mornings「朝はいつも」、drop人off at~「(車などで連れてきた)人を~で降ろす」、public transport「公共交通機関」、on time「時間通りに、間に合うように」、suggestion「提案」、rare「まれ」、good reason「妥当な理由」、encourage 人to do~「人に~するよう勧める」、make much noise「大きな騒音を立てる」、provide「提供する」

 

 

 

<解答と解説>

ダブルパッセージでも、シングルパッセージの場合と同様に先ずは設問を先に読み、「設問の答えを探すために英文に戻る」という順番をたどります。読む英文の分量はダブルパッセージでは1.5倍から2倍に増えますが、必要以上に時間をかけずに解かないとなりません。あくまでも「答えを拾い出すために読む」という姿勢に徹しましょう。また、読む英文は、一つ目が二つ目のものと関連していますので、順番に沿って読むと良いでしょう。ここでは、二通の社内メモが出ていまず一つ目のメモがあって、それを受けての二つ目のメモとなります。

 

1.【正解】(D)

 

【解説】

メモやメールや手紙ではその目的が冒頭部分に書かれます。まず最初のメモはスタッフ全員宛にミューラー氏からで、Re「~に関して」の項目に書かれている用件は「会社近辺の駐車」についてだと分かります。そして第1パラグラフの第2文”I would like to remind ~ they are not on any account to come to work by car” から「車で通勤してはいけない」と社員に釘をさしていることが分かるので、(D)を選びます。

 

2.【正解】(B)

 

【解説】

設問にある”Mrs.James”を探して英文をスキャニングする(ざっと見る)と、第1段落第1文にあり、彼女からミューラー氏へ、会社近辺の多数の路上駐車(the large number of parked cars in the streets around the company)という苦情(complaint)が来ていることがわかるので、(B)が正解。

 

3.【正解】(C)

 

【解説】

”Janet Richards”をスキャニングすると、2番目のメモのFrom: Janet Richardsという部分から、彼女がこのメモを書いた人物だと分かり、その2番目のメモの第1段落の自己紹介(working in the Accounts Department)から「会計部に勤めている」ことがわかるので、(C)が正答。

 

4.【正解】(C)

 

【解説】

設問にあるキーワード”reasons ・・・sons to school” を探すと、2番目のメモの第2段落に「車で子どもたちを学校へ送る」理由がいくつか述べられていて、その段落に”They are too young ・・・ on their own”「幼すぎて学校に自分で通えない」とあるので、これと同に内容の(C)が正解。

 

5.【正解】(A)

 

【解説】

設問のキーワード“Janet Richards・・・suggest” を探すと、最後の段落にI have a suggestion~とジャネットの提案が書かれており、その第5文に「訪問客用駐車場のスペースを減らし、その分を車通勤が必要な社員に回す」ことを提案しているので、(A)を選びます。

 

 

【全訳】

問題1-5は次の2枚のメモに関するものです。

 

メモ

宛 先:会社員
差出人:ピーター・ミューラー
日 付:8月5日

Re:会社付近の駐車について  (Reは「~に関して」の意味です)

 

会社付近での路上駐車について。

先週は地元自治会の会長のジェームスさんから、会社付近の路上駐車が多いという苦情が寄せられました。会社の敷地内に専用の駐車スペースを持つ社員以外は車での通勤は禁止されています。この場所に移った当初は多くの住民から反対され、その際に我が社は路上駐車をして渋滞を招くようなことはしないと約束しました。

この規則によって多くの社員にご不便をおかけしています。ただ残念ながら、会社敷地内の駐車スペースが限られているため規則にしたがっていただく以外に方法はありません。規則を破り、車で通勤する社員には厳しい罰則を科します。

ピーター・ミュラー

代表取締役

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

メモ

宛 先:ピーター・ミューラー
差出人:ジャネット・リチャーズ
日 付:8月6日


Re:  駐車について 


ミュラー様

私の名前はジャネット・リチャーズです。5年前から会計部で働いています。ミュラーさんには去年のクリスマスパーティーでお目にかかりました。車で通勤できないという会社に規則についてお伝えしたい件があり、お手紙を書いている次第です。

申し訳ありませんが、私もこの規則に違反している社員の一人です。その理由は、毎朝、出勤前に二人の幼い息子たちを学校まで送らなければならないからです。残念ながら、彼らの学校はスクールバスを出しておらず、公共交通機関を利用しようと思っても、通学する上では非常に不便です。それに、夫と私は息子たちだけで通学させるにはまだ幼いと考えております。息子たちを学校へ送ってから再び家に帰り、そしてそれから電車で通勤するとなると、出費がかさむだけでなく、会社に時間通りに着くことも不可能になります。

そこで、一つご提案があるのですが、これを取り入れることによって問題が解消されるのではないかと思います。現在、会社の駐車場には来客専用の駐車スペースが10台分もあります。しかし私の経験によれば、来客が一度に2人以上訪れることはほとんどありません。その結果、そのスペースの大部分は空いたままになっています。来客用のスペースを減らし、私のように車で通勤するための妥当な理由がある社員に譲ることを提案いたします。

どうぞご検討くださいますようお願いいたします。

敬具

ジャネット・リチャーズ

 

1.何の目的でピーター・ミューラーはこのメモを書きましたか。

(A)地元住民と話し合うよう社員に働きかけるため
(B)ジェームズさんを社員に紹介するため
(C)会社が移転することを発表するため
(D)社員に車で通勤しないように注意するため

 

2.なぜジェームズさんはピーター・ミューラーに苦情を寄せましたか。

(A)その地域には住民が多すぎるから。
(B)社員が会社の近くで路上駐車をしているから。
(C)会社のせいで騒音がひどいから。
(D)社員の運転が乱暴だから。

 

3.ジャネット・リチャーズは誰ですか。

(A)近所の男子校の教師
(B)会社の近くに住んでいる人
(C)会計部で働いている人
(D)地元自治会の委員

 

4.ジャネット・リチャーズが息子たちを学校まで送る理由の一つはなんですか。

(A)彼らの学校は会社からあまりにも遠いから。
(B)バス通学はあまりにも経費がかかるから。
(C)自分たちだけで通学するには幼すぎるから。
(D)彼女は電車通勤をする時間がないから。

 

5.何をジャネット・リチャーズは会社に提案していますか。

(A)来客用の駐車スペースの一部を社員に使わせること
(B)会社付近での路上駐車を認めること
(C)社員の子どもの通学のため交通手段を提供すること
(D)彼女のような社員のために駐車場を新たに設けること


出題は(株)旺文社のご協力のもと『新TOEIC TEST実戦セミナー<改訂版>』より出題しています。

 

今月はPart7の後編「ダブルパッセージ問題の解き方」にチャレンジしましたが、Part7の取り組み方には慣れてきましたか?「答え探しの読解」に慣れるために、自分のペースでよく自主トレをしておきましょうね。では、Good luck!

 

★ひとりごと★

パリにいた頃、焼きたてのバゲット(フランスパン)をよく買って食べたものですが、焼きたてはサクサクと美味しくても、冷えれば歯が立たないほど固くなります。それでもパリの人々はバゲットのサンドイッチを普通に食べていたのを見て「顎が強いな~」と感嘆したものです。

ところで最近学生たちと話していて、日本語の「カ行」つまり「かきくけこ」がはっきりしない学生が多いような気がします。[k]の音が弱いのか聞きようによっては「タ行」に聞こえるのです。もちろん日本語の「カ行」では[k]の子音をそれほどはっきりさせる必要はありませんが、日本では食べ物が柔らかいほど上等扱いされる傾向がありますから、日本人の顎は弱ってきているのかもしれませんね。

日本語でも英語でも、理解してもらえる発音を目指すには顎の強さがある程度必要でしょう。もしご自分の発音に疑問がある時は、皆さんもご自分の顎の強さを確認してみたらどうでしょう?まず、バゲットはいかが?

 

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串田 美保子
関東学院大学法学部教授
アリゾナ州立大学大学院英語科修士課程終了、MA(英語学修士)。サンダーバード国際経営大学院卒業、MBA(経営学修士)。専門は英語教授法、応用言語学、言語政策。
主に、英語の習得方法と教授方法を研究。現在、関東学院大学法学部教授。国際ロータリー財団奨学生選考委員。
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