本当の英語に触れると英語が楽になる

「6週間チャレンジ!スラスラ話せるオフィス英会話」 の開発メンバーのお一人、串田美保子教授。串田先生は、英語教授法を専門とする英語学者で、モットーは「英語は楽しんで学ぶ」こと。先生ご自身も学生の頃からそれを実践されてきました。英語を楽しく身につけるコツと、ビジネス英語のポイントを教えていただきます。

耳で育んだ英語力

青木
串田先生が英語の勉強を始めたのは、いつからなのですか?
串田先生
中学1年からです。校長先生が元々英語の先生で、1年生全員に「NHKのラジオ講座『基礎英語』を聴きなさい」と言ってテキストを配ったのです。それから毎朝6時台の20分間のラジオ講座を聴いてから部活に行くという生活を続けていました。
青木
毎朝というのは大変だと思うのですが、生徒全員が続けていたのですか?
串田先生
実は1年後、校長先生が「まだ続けている人?」と聞いたとき、手をあげたのは私だけでした(笑)。私としてはあまり勉強をしているという意識はなく、朝の支度の1つとして英語を聞いているくらいの感覚だったので、長く続けられたのかもしれません。『基礎英語』が中1レベル、中2以上は『続基礎英語』、高1レベル以上は『英語会話』…とレベルアップしていくのですが、結局大学に入るまで『英語会話』は聴き続けていました(笑)。英語は好きでしたし、番組では英語の歌も流すことがあって、毎週違う歌が聴けるのが楽しいというのもありました。
青木
高校のときには、文化放送のラジオ番組「100万人の英語」も聴いていたとか。
串田先生
はい。御園先生の番組です。NHKの「英語会話」と「100万人の英語」の両方を聴いていました。こう言うと、なんだかとても勉強熱心に聞こえるでしょう(笑)。英語の勉強はたしかに苦ではありませんでしたが、でも、それだけではやはり続かなかったと思います。

中学1年の終わり頃から、カーペンターズなどの洋楽が大好きになり、友達と一緒にいろんな洋楽を聴くようになりました。ビジュアル系やアイドル系グループなどいろいろ。ずっとラジオ講座を聴いていたためか、初めて洋楽を聴いた時、ちょっとだけ歌詞がわかったり。そういうのが本当に楽しかったのです。

ページトップへ

英語を続けるコツは、楽しみを見つけること

串田先生
青木
一緒に英語を楽しむ仲間がいたことも大きかったのでは?
串田先生
大きいですね。好きなバンドがインタビューを受けている番組を録画して、友達と何度も巻き戻しながら聴いたり、テープ起こしをしたり。仲間がいたので、どれも楽しんでやっていました。英語をやって一番楽しかったのは、こうした仲間や音楽とのつながりです。
青木
やはり英語の学ぶコツは、楽しんでやることですね。
串田先生
上達するコツも、楽しみながら毎日英語と接することですね。その意味では映画もいいきっかけです。原作本を買って、映画の場面を探して見るのも良い方法です。気が乗らないときには無理にやらなくていいのです。やらないまま1週間ぐらいたつと、また徐々にやりたくなってきますから。無理しないのもコツの1つです。無理矢理やろうとするよりも、自分が楽しいと思えるものを探して、続けていくように工夫するのがベストですね。
ページトップへ

英会話は技術でなく度胸

青木
大学時代にアメリカに留学されていますね。
串田先生
6カ月留学していました。もう楽しくて楽しくて!帰りたくなかったくらい(笑) 。
青木
英会話はまったく困ることなく?
串田先生
いえいえ。最初の1カ月は、よく聴き取れない状態が続きました。クラスメイトは早口ですし、若者言葉ということもあって、何を言っているのかよくわかりませんでした。こちらの言うこともなかなか通じなかったです。でも、1カ月過ぎてお友達ができてくると、相手も私の話を一生懸命に聴いてくれるようになり、そのあたりから、だんだん様子を見ながらですが話をしていくようになりました。初めての相手にも、できるだけ自分から話しかけるようにしていました。そうしているうち、「英会話は技能じゃなくて度胸なんだ」ということがわかってきたんです(笑)。
青木
間違ってもいいから、まずは話してみる。とても大切ですね。
串田先生
完璧を目指すとダメ。神経質になると話せないものです。間違ったっていいくらいでちょうどいいのです。留学を通して、英会話に自信とまではいきませんが、「明日はこういう人に会うからこの話をしよう」など、少し準備をすればどうにかなる、と感じました。
ページトップへ

リスニングをくり返していると、あるとき英語がゆっくり聴こえ始める

青木
串田先生には「6週間チャレンジ!スラスラ話せるオフィス英会話」の開発をお願いいたしました。ビジネス英語は日常会話とどういう点が違いますか?
串田先生
なるべく的確に、短い文章で伝えることが重要で、一番大きな違いです。getやdo、haveといった短めの単純な動詞を使って、なるべく短く的確に話します。
青木
「これを報告しておけ」、「メールを送れ」といった言葉が中心ですから、日常会話とは異なりますね。
串田先生
まずビジネス英会話を習得し、その後に日常会話に進むのもいいですし、日常会話が得意なら、そこから無駄を省いて的確な言葉だけでいう訓練をする、という方向もあると思います。どちらが有利ということはないので、好みや学習しやすさで選んで大丈夫です。
青木
「6週間チャレンジ!スラスラ話せるオフィス英会話」でトレーニングするときのコツはありますか?
串田先生
やはり基本は楽しむことですね。毎回の会話を、自分がどちらかの役になって練習するというのはどうでしょう。男性は男性、女性は女性になりきって。相手は誰か素敵な人を思い浮かべながら(笑)やるのも楽しいですね。そして1日1回はCDで1つの会話分は聴くようにしたいですね。勉強するぞ!と堅苦しく考えず、集中しないでやる日もあってもいいので、肩の力を抜いて楽しみましょう。何回もくり返し聴いていると、あるとき英会話がゆっくりに聴こえ始めます。
青木
そういうお客様の声、本当に多いんです。聴き取れなかった音の「ピントが合ってくる」と表現するお客様も。
串田先生
ゆっくり聴こえてくるようになったら、どんどんおもしろくなってきます。DVDだけでなく、テレビのインタビューや映画のセリフも、今までと違うように聴こえますから。そうすると本当に楽しみが広がりますね。
青木
残念なのは、ゆっくりに聴こえてくる前にやめてしまうパターンです。最初は、とにかくくり返して聴くことが大切です。
串田先生
スピーキングも聴くことと同様、くり返し行うことが大切ですね。英語の場合、口の動かし方が日本語と違います。相当大きく口を開けないと出ない音もあります。そうした日本語にない音を出すためには、「調音」といって、自分で発声して自分の耳で聴き、少しずつ正しい音に近づけていくこと。これを毎日くり返すことで、それらしい音に早く近づけることができます。ぜひ、途中でやめずに頑張ってください。

串田美保子 教授

英語教授法を専門とする英語学者。
ネイティブ並の正確な英語発音と、わかりやすい説明に定評がある若手英語指導者。

関東学院大学法学部教授。専門は英語教授法(TESOL)、応用言語学。アリゾナ州立大学大学院英語科にてMA(英語学修士)取得、サンダーバード国際経営大学院にてMBA(国際経営学修士)取得。研究テーマ:応用言語学の理論に基づく言語習得のメカニズムの研究。言語と文化と思考の関係の研究。
主な著書に『英語音声指導マニュアル』(共著、北星堂書店)、『英語音声学辞典(第二版)』(共著、成美堂)、『聴く話KIDS英会話 耳から覚える英会話はじめの一歩』(執筆協力、旺文社)など