英語を話す100のヒント

2017/03/03
使える英語表現[ハラスメント]
  • 言語学博士
  • 関東学院大学
御園和夫名誉教授

ハラスメントの動詞は  harass です!

I won't bother you any more.

 

セクハラのうらみをハラスわよ、なんてのは怖いですよー。問題は「ハラス」(harass)です。

 

近年、なんとかハラスメントなどということばをよく聞きます。このハラスメント(harassment)の動詞が harass です。意味は、「(人を)しつこく悩ます;苦しめる」です。相手を悩ませる度合いでは、類似の動詞の中では一番です。この種の動詞を集めてみました。

 

 

The boys teased Ann about her glasses.

 少年たちはアンをメガネのことでからかった。「いじめる;からかう」

 

Gian is always bullying his classmate, Meg.

 ジャイアンはいつもクラスメートのメグをいじめている。「弱い者いじめをする」

 

● There is nothing to worry about. 

 心配することは何もない。 「危惧(きぐ)、懸念、不安を感じさせる」 もうあなたには迷惑はおかけしません。「困らせる」

 

 

Sam annoys me with his bad behavior.

 サムはおろかな行動で私を困らせる。 「不快なことを繰り返して人をいらだたせる

 

● They pester me for money. 

 彼らは金をくれと私にせがむ。 「(人を)しつこく悩ます」

 

● Mrs. Williams nags her husband to buy a new car. (for a new car.)

 新車を買ってくれとしつこく夫にしつこくせがむ。(「(人に)うるさ く小言を言って悩ます;たえず悩ます」)

 

 

● Don't plague me with questions. 

  うるさく質問ばかりしないでくれ。 「(度々のの要求・質問などで)悩ませる;うるさがらせる」

 

● Mr. Smith harasses himself about his daughter. 

  スミスさんは自分の娘のことで悩んでいる。「面倒な事態、心配などで間断なく悩ませる」

(annoyより強意的)

 

なお、ある辞書に相手を悩ませる度合いは次の順で強くなる、とあります。

 

tease < bother < pester < nag < worry < plague < harass

 

先日、ある飲食店でアルコールの入ったおじさんが「だからさー、せくはらは変えられない、っていうわけよ~」 あれれ?「せくはらは」ではなくて「背に腹は」ではなかったかなー、と思いつつ、妙に「うまい!」と思ってしまった次第です。

御園 和夫
博士(言語学)
英語音声学、英語学専攻。英国レディング大学にて英語教授法研修、UCLA校客員研究員、クイーンズランド大学大学院博士後期課程修了。関東学院大学名誉教授。日本英語音声学会常任理事、英語面白楽会会長。テレビ・ラジオで活躍し「百万人の英語」や「旺文社大学受験ラジオ講座」など数々の英語番組を担当。著書:『コミュニケーション主体の英語音声学』(和広出版)、『必携 英語発音指導マニュアル』編集主幹(北星堂書店)他多数。
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