英語を話す100のヒント

2012/11/20
リスニングの秘訣は易しいものを多聴!
  • アーカンソー大学
  • フルブライト教養学部外国語学科
福島達也准教授

英語リスニングはカンタンなものから!

囲碁界の第一人者趙 治勲先生は、囲碁上達の秘訣は易しい詰碁を数多くこなすことにあると述べておられます。(「死活」朝日出版社)。趙先生の詰碁の本は易しい問題の繰り返しにより上達を目指すという原則が貫かれているため、ヘボ碁打ちの私にもスラスラと読み進めるもので、何回も同じ問題を繰り返しているうちに「○分で初段」という詰碁もある程度解けるようになりました。もっとも、コンピューター相手の対局に悪戦苦闘する私のヘボ碁ぶりは相変わらず目を覆うばかりですが。

 

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japanese robot plays igo / torisan3500

 

リスニングもこれと同じで、自分のレベルで十分にこなせる易しいものを数多くこなすと徐々に上達するはずです。今思い出してみると、私のリスニング上達が比較的スムーズに進んだのは、使用したネタがその当時の自分にとって易しいものだったためそれほど苦痛でなかったというのが大きかったと思います。

 

 

文字なら理解できる難易度の英語を!

ここで問題になるのは具体的に何をもって易しいものとするかですが、平たく言えば「文字にすれば理解できるもの」であると言えます。文字にしても分からないものはいくら聴いても理解できるわけがなく、第一やっていて面白いはずがありません。

 

逆に文字で見せられて「なーんだ、これだったのか。」と思えるようなものであれば、あとで聴き直して理解でき、何よりやっていて励みになるでしょう。ただここで大事なのは、とにかく毎日繰り返すことです。出来れば一日1時間、忙しい日は、たとえ10分でも、日を措かずに繰り返していれば必ず上達出来ます。

 

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短めの英文からはじめよう!

では、聴くネタはどのようなものが良いのか。

 

私個人の意見ですが、初めは短いものをお勧めします。これは、分かりもしないものをダラダラと聴き続けるのは苦痛であるというのと、短いものは分からなければさっさと飛ばして次のものをやってしまうことができる手軽さがあるというのが、その理由です。

 

ここまで、私のリスニング練習の基本方針(というには大げさかもしれませんが)を、述べてまいりましたが、いささかでも皆さんのお役に立てれば幸いです。個々の方法論に関しては、あえてここに触れるまでもないでしょう。

 

ただ最後に一言付け加えるとすれば、リスニング上達は最終的には本人のやる気次第であると思います。リスニングは時間の有効な使い方と自分に合ったネタ次第で必ず上達できますので、がんばって下さい。

 

福島 達也
アーカンソー大学フルブライト教養学部外国語学科准教授
米国オクラホマ州立大学修士・博士課程修了。現在アーカンソー大学准教授、日本語課程主任教授。日本語および言語学の講義を担当。専門はテクノロジー補助言語教育、社会言語学、談話分析など。著書:“Ga: Japanese Conjunction―Its Functions and Sociolinguistic Implications” (Lincom Europa 社)
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