英会話上達のコツ

2011/09/07
英語のリスニングのコツ(3)

リスニングが苦手な皆様に、リスニングのコツをご紹介!今回はその第3回目です!

 

● 子音の連続

 

世界の言語の音体系は、原則として「子音と母音の組合せ」から成立しています。日本語はまさにこの典型で、

 

メガネ MEGANE

 

のように子音と母音が交互に繰り返されます。ただし、例えば「大岡」に見られるように、母音が連続する場合もあります。これに対して、英語は子音が連続する「子音連結」が極めて豊富に存在します。

 

strong

 

を発音してみて下さい。

 

 

語頭で3つの子音 str- が連続しているのに、suto- と母音が入り込んではいませんか。日本語の「子音+母音」という基本的な音体系が英語に適用された結果、こうした不要な母音を挿入してしまうのが日本人の特徴、言い換えれば、「日本人訛り」と言われるものの一つであり、その影響はリズム構成をも大きく変えてしまいます。

 

「巻かれたテキスト」という意味になる 

texts scrolled 

 

の、 xts scr 部分、[-ksts skr-]ように、語末で最大4つ、語頭で最大3つの子音連結が英語では生じるため、総計7つの子音が連続する場合があります。母音が存在しないため、子音連結部分は素早く発音されます。このスピード感に慣れることがとても大切なリスニングポイントです。英語リスニング能力向上の秘訣は、従来抱いてきた英語の音声イメージを現実のそれに少しでも近づけて行く点にあるのです。

 

 

 

 

● 強弱のリズム

 

「夏の思い出」は、「ナツノオモイデ」と7音節、すなわち、7つの母音(あるいは7拍)を含みます。これに「私たちの」(ワタシタチノ)という6音節(あるいは6拍)を加えて「私たちの夏の思い出」とすれば、発話にはほぼ倍の時間を要します。つまり、日本語では、各音節、あるいは拍が、それぞれ概ね均等な「強さ」で発音され、音節数(拍数)に比例して発話時間が長くなることを示しています。

 

これに対して、英語のリズムの特徴と傾向はどうでしょうか。英語には強く明瞭に発音される語と弱く素早く発音される語があります。

 

【強く明瞭に発音される語(内容語)】 

名詞、動詞、形容詞、副詞、間投詞(oh他)など

 

【弱く素早く発音される語(機能語)】

代名詞、助動詞、動詞のhave(be動詞も含まれます)、冠詞、接続詞、前置詞など

 

強く明瞭に発音される語を「内容語」、一方、弱く素早く発音される語を「機能語」と呼びます。それぞれの名称が示す通り、「内容語とは発話上重要な意味内容を伝達する語」であり、「機能語とは主に文法上の役目を担う語」です。

 

 

日本語には見られない英語特有の「強弱のリズム」は、これらが組み合わさることではっきりと表れてくるのです。英語音声の全てを聴き取ろうとする、あるいは、聴き取らなくては気がすまない性格の方は、この強く明瞭に聞こえて来る「内容語」にポイントを絞ったリスニング行動を心掛けてみましょう。言い方を換えれば、弱く素早く発音される「機能語」は、ある程度聴き逃しても重大なミスには至らないとの意識を持つことです。

 

一方、発音する場合には、「内容語」と「機能語」の区別を踏まえて、「強弱のリズム」をつける練習を始めましょう。一段と英語らしい発音になるはずです。強く明瞭に発音される「内容語」は、その間に存在する「機能語」の数に影響されずに、ほぼ等間隔に生じる傾向があると言われています。

 

すなわち、冒頭で紹介した通り、日本語が「音節数(拍数)」に比例して発話時間が長くなるのに対して、英語は「内容語の数」に比例することになります。この点が日英語のリズムの決定的相違です。内容語間の時間的間隔が概ね一定であるとすれば、このリズムを維持するために、機能語は単に弱いばかりではなく、可能な限り高速発音にならざるをえません。これを、機能語の「弱形発音」と呼びます。

 

いかがでしたか?強く明瞭に発音される単語と、弱く素早く発音される単語の違いを知っておくだけでも、リスニングの大きなヒントになります。知識を身につけることも、実践力アップには有効と言えますね!

 

次回につづく。

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